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シャリア銀行の成長が加速 26年にシェア10%まで拡大予想

インドネシアにおいて、イスラム法(シャリア)に則った運営を行うシャリア銀行の成長が加速している。特に、今後2〜3年の年平均成長率は15〜18%に達すると見込まれており、年10%の成長率にとどまる従来の銀行を大きく上回ると予想されている。さらに、この成長率は世界のイスラム金融の成長ペースである8%をも上回っている。

シャリア銀行は利子を禁止するイスラム法に則り、分配金システムを導入したりハラルな事業に対して融資するなど、従来の銀行と違いがある。

シャリア銀行の成長要因は主に融資で、S&Pグローバル・レーティングスのレポートによると、現在、インドネシアにおける融資総額のうちシャリア銀行が占める割合は7%にとどまるが、2026年には10%を超えると予想されている。

インドネシアのシャリア銀行市場で50%以上のシェアをもち、国内最大のシャリア銀行である国営バンク・シャリア・インドネシア(BSI)は、市場はS&Pグローバル・レーティングスの予想をさらに上回るスピードで成長する可能性が高いと指摘する。昨年のBSI銀行の融資成長率は26.2%で、国内シャリア銀行の平均融資成長率である19.9%を上回った。市場シェアの高い同行が市場のけん引役となっている。

また、シャリア銀行の活性化が予想されるもう1つの要因として、新規参入企業の登場がある。従来の銀行がシャリア銀行へ転換したり、従来の銀行のシャリア支店が誕生するなどして、近い将来に200兆ルピア規模の新規企業の参入が計画されている。市場が単一企業に偏っていたり企業数が極端に少ない場合、消費者が損をする可能性も高く、特にアチェ州のように州条例によってBSI銀行のようなシャリア銀行しか利用できない人々にとっては良い傾向といえる。