中国系動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の機能のひとつで、オンラインショッピングができる「TikTok Shop(ティックトック・ショップ)」が注目を集めている。
2021年のサービス開始以来、インドネシア人利用者は急速に増加し、過去1年間に東南アジアで販売された商品のうち、3分の1以上をインドネシア人が購入するほどになった。当然のことながら商品を販売したい企業や個人からの注目度も高く、インドネシアだけで200万人以上の出品者がいる。
特に、ライブ配信を通じて商品のPRや販売ができる「ライブショッピング」が出品者と購入者の双方に好評だ。アパレルショップのMonomollyは、昨年ライブショッピングを開始してから収益が30%増加したと報告している。同社によれば新しい買い手にアプローチできたことが収益増加の要因になったという。
また、企業だけでなく個人販売でもライブショッピングを活用する夫婦がいる。ジョグジャカルタに住むある夫婦は、ライブショッピングでひと月に1000個のクッキーを販売し2500万ルピアを売り上げている。人気の理由はクッキーよりも夫婦のパーソナリティで、ライブ中の夫婦のやりとりに共感した視聴者がクッキーを買ってくれている。
さらに、買い手にもライブショッピングはメリットがあるという。ジャカルタに住む29歳の女性は、ライブでの交流を通して気に入った商品を見つけることができたと話す。
ティックトックはユーザーのデータセキュリティの問題や中国政府との関係疑惑を巡り、アメリカなどでは厳しい制限が続いている。同社にとって東南アジア、特にインドネシアでの人気拡大は明るい話題であり、先日には東南アジアへ数十億ドルを投資する計画も発表された。東南アジアのオンラインショッピング市場は来年には350億ドル規模に成長すると予測されており、各社のシェア争いが続くだろう。