アチェ州西アチェ県で1日、今年3月下旬に同県沖合に漂着し、救出されたイスラム系少数民族ロヒンギャ難民75人全員が、難民キャンプから逃亡したことがわかった。逃亡は9回に分けて段階的に行われ、最後に残っていた27人が同日未明の豪雨の中、監視員の目を盗んで逃亡した。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年1月以降、アチェから逃亡したロヒンギャ難民は920人以上にのぼり、現在多数ある難民キャンプには1,078人が残っている。ロヒンギャ族を支援するアラカン・プロジェクトの責任者クリス・ルワ氏は、「インドネシアがますます、ロヒンギャ難民の密入国の中継地になっている」と強い懸念を示し、インドネシア政府が「見て見ぬふりをしている」と非難した。
逃亡した難民は、密入国者によってマレーシアへ渡ったとみられているが、政府は、「難民の国外への出国決定は政府の責任範囲を超えている」との見解を示した。