スラウェシ島南東部ワカトビ県の島々には、インドネシアの多様性を感じさせてくれる特有の文化的魅力がある。カレドゥバ島とワンギワンギ島で受け継がれてきた「カリアー(Karia)」は、少年が大人になることを祝う伝統的な祭り。イード・アル=フィトルとイード・アル=アドハーの後に行われるのが通常だが、カレドゥバでは一年中行われることもある。儀式の後には伝統料理リヲが振る舞われる。
「マンサ(Mansa)」は、老若男女関わらず武道の心得のあるものが参加できる伝統的な武道競技会。マンサが開催される時には、カレドゥパ島のさまざまな村から人々が集まり、シラット(武術)を見たり、演奏に参加したりする。マンサの伝統はワンギワンギ島にも残るが、カレドゥバ島では、プレイヤーの動きの美しさと伝統的な雰囲気を活かすことに重点が置かれている。「ラリアンギ(Lariangi)」はワカトビ県の無形文化遺産に指定されている踊り。独特の衣装を着た複数のパフォーマーが披露するダンスの振り付けには、哲学的意味が込められており神秘的な側面がある。
かつて存在したブトン・スルタン王国とバラタ・カヘドゥパに思いを馳せ、神と神からの贈り物への感謝の気持ちを表すバラタ・カヘドゥパ・フェスティバルでは観光客もこのカリアーを見学できる。