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世界カリグラフィーの日 インドネシアにおける書道芸術の発展

(c) kemenparekraf.go.id

毎年8月の第2水曜日は世界カリグラフィーの日。カリグラフィーとは、さまざまな文字を美しく書くための手法、またそれを用いて創り出される芸術作品のこと。インドネシアでは「Khatt」と呼ばれるアラビア書道の人気が高い。数千年前のイスラム王国との密接な関係がその理由と考えられている。

アラビア書道はイスラム教とともにインドネシアに伝わった。12世紀には書道家が存在し、南スラウェシの洞窟壁画や古代の墓に記されたタウヒードの文などからは、16〜19世紀にかけてのインドネシアにおける書道芸術の発展の様子がうかがえる。18〜20世紀には紙、木、金属、ガラスなど、さまざまな媒体を使用した書道芸術が創作されてきた。

書道芸術の発展は、インドネシアの工芸文化の活性化にも影響を与えた。書道工芸センターがあり、住民の大半が書道を生業としている中部ジャワのテンビリン村は、書道村と呼ばれている。同村は真鍮と銅を使った書道作品の制作が有名であり、作品はさまざまな国に輸出されている。スマラン県のベドノ村にも書道工芸センターがあり、真鍮板にコーランの詩句を刻んだ書道彫刻の国内市場、トルコ市場での販売に成功している。両センターは、書道がインドネシアの創造産業を世界市場に広める大きな可能性を秘めた芸術分野であることを証明している。