インドネシアには地域ごとに独自のサテがあるが、最もおいしいと考えられているサテのひとつに「サテ・パダン」がある。その魅力を理解すべく、今やインドネシア全土で多くの人に愛されているサテ・パダンに関する3つの事実、発祥・種類・調味料を紹介する。
牛肉、牛タン、牛ハツで作られるパダンサテの発祥地は、西スマトラ州のパダン・パンジャン。当時西スマトラのイスラム宗教教育の中心地であったパリアマンに持ち込まれ、コーランを学ぶ学生や巡礼者によってパダンサテの魅力が広められていったと考えられている。
パダン・パンジャンからパリアマンに持ち込まれた際に、サテ・パダンは進化を遂げた。厳密にいえばサテ・パダンは使用されるスパイスの種類によって3種類に分けられる。黄色がかったサテは「サテ・パダン・パンジャン」、唐辛子の風味が強い赤味のあるサテは「サテ・パリアマン」、その二つのスパイスを混ぜた茶色がかったサテは「サテ・パダン・コタ」と呼ばれている。
3種類のサテは味も色も異なるが、ベースとなるスパイスは唐辛子、レモングラス、クミン、コリアンダー、生姜、ガランガル(南姜)、ターメリック、コショウと、実はどれも同じ。ピーナッツが加わる場合もあるが、味にはそれほど影響はない。どのサテがよりおいしいか確かめてみて。