ジョグジャカルタを訪れると、街のいたるところで「グデッグ(Gudeg)」の看板を見かける。グデッグは若いジャックフルーツの果肉をココナッツミルク、ブラウンシュガー、ニンニク、エシャロット、クミリ、コリアンダーシード、ガランガル、ローリエ、チークの葉などのスパイスと一緒に弱火で長時間煮込んで作るジョグジャカルタの郷土料理。
マタラム王国時代、宮殿建設のために開墾した森林地帯にジャックフルーツとココナッツが密生していたことからグデッグが生まれたといわれている。その名前は、焦げないように時々かき混ぜながら作ることから、「かき混ぜる」ことを意味するジャワ語のhangudeg(またはngudheg)に由来するそう。忍耐力と注意と正確さが求められるグデッグの調理法には、ジャワの哲学と価値観が反映している。
グデッグには汁気のあるものとないものの2種類があり、どちらも茶色く甘味が強い。汁気のないものは調理により時間がかかるが、保存がきくのが利点。またジョグジャカルタにはジャックフルーツではなく、ココナッツの花を使ったグデッグもある。ジョグジャカルタの隣の都市ソロにもグデッグがあるが、ソロのグデッグは、茶色がかった赤色を出すチークの葉を使用せずにココナッツミルクを多く加えるため色が白いのが特徴。