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爽やかなおいしさのルジャック・ブアに秘められた意味とその進化

(c) kampungkaleng.com

新鮮なカットフルーツを唐辛子、パームシュガー、塩、タマリンドなどを混ぜ合わせた特製のソースと一緒に食べるルジャック・ブアは、祝福をもたらす神聖な料理として、スラウェシ地方においてはかつて宗教儀式で用いられていた。ルジャックはアニミズム信仰とも深い関わりがある。甘味、酸味、辛味、旨味などの味覚の要素を霊的存在の象徴と考え、宗教儀式においては人間と霊界をつなぐ媒体とされた。またルジャックのさまざまな味を、水、地、風、火、空といった自然界の要素に重ね、人生における調和と統一の象徴と解釈する人たちもいる。

時が過ぎルジャックは、各地の市場や屋台で販売される日常的な料理になった。ルジャックの発展の過程には、インド、 中国、アラブなどの外国文化の影響も見られる。また東ジャワのルジャック・チングルやジャカルタのルジャック・ジュヒのように、各地域にはそれぞれの地域の特色が反映されたルジャックがあり、インドネシアの多彩な食文化が反映されている。近年では現代のトレンドに合わせて、新鮮な野菜と組み合わせたルジャックサラダ、他の料理と融合させたルジャック寿司やルジャックパスタなど、多様なアレンジが生まれている。伝統料理ルジャックは新しい時代に適応しながら時代を超えて人々を魅了し続け、その地位を保ってきた。