インドネシアの映画やコミックでおなじみの、素朴でユーモラスな英雄カバヤン。彼が常に頭に巻いているあの特徴的な布こそが、スンダ 地方の伝統的な被り物、「トトポン」である。
一見すると中部ジャワのブランコンやバリのウデンに似ているが、トトポンには決定的な違いがある。それは「形の自由度」だ。あらかじめ成形された他地域の被り物とは異なり、トトポンは50cm四方の正方形のバティック布を使い、その場で頭に結んで形作るスタイルをとる。
その結び方には、大きく分けて7つのバリエーションが存在する。「バランバン・センプラック」や「パレコス・ナンカ」、「パレコス・ジェンコール」など、それぞれがユニークな名称と形状を持ち、着用者の好みに合わせて変化させることができるのが最大の魅力である。
2012年にはボゴール市政府によって新たな観光資源として正式に紹介され、海外の旅行者にもその名が知られるようになった。価格は2万ルピア前後からと手頃でありながら、そこにはボゴール独自のバティック模様と、型にはまらないスンダの精神が美しく織り込まれているのである。
もうひとネタ!
結び方の名前にある「ナンカ(ジャックフルーツ)」や「ジェンコール(ジエンコール豆)」は、包んだ形がそれらに似ていることに由来しており、スンダ人のユーモアを感じさせる豆知識だ。



















