前述のように「早い者勝ち」で、自社の商標が他の法人や個人に取られてしまった事例を紹介します。
日本企業が冒認出願に訴えた例
- ある大手レストランチェーンはインドネシアへの進出を準備していたところ、レストランを経営するインドネシア人により、すでにレストラン名を商標登録されていたことが発覚。
- レストランチェーン側は、このインドネシア人による商標登録 取消を求めて、裁判所に訴えを起こすが棄却される。
- その後、このインドネシア人からインドネシア事業の共同運 営もしくは商標の買い取りなどを持ちかけられる。
- インドネシア人からの提案について、レストランチェーン側が拒否。
→事業進出は白紙に。
このケースでレストランチェーンは、日本だけでなく、台湾や 中国、韓国でも商標が登録済みであることを裁判所に証拠として提出するも、訴えは棄却されている。「早いもの勝ち」で商標をとられてしまった例です。
現地代理店に商標登録された例
- ある日系メーカーは当初、代理店を通じてインドネシア市場 に商品を流通していた。
- メーカー側がこの代理店との契約を破棄し、他社を通じて商品を卸し始めた数カ月後、 この代理店から「メーカーの主力商品に関するインドネシアにおける商標登録を済ませている」旨が書かれた警告状を受け取った。
- メーカーは、代理店から商標の買い取りを試みるも、請求額が巨額でこれを断念した。
- 商標登録取消を求めてインドネシアで提訴するも、最終審で敗訴。
→結局メーカーはインドネシアでの販売ではブランド名 とロゴマークの変更に迫られることとなった。
長年に渡って自社商品のインドネシアでの販売を委ねていた代理店が、その商品の商標登録を知らぬ間に済ませていた例です。