バリ島東部のカランアッサム県にあるテンガナン・ペグリンシンガン村では、年に一度、静かな村が熱狂に包まれる神聖な儀式「ペラン・パンダン」が開催される。
これは、戦いの神デワ・インドラへ敬意を捧げるための由緒ある奉納試合である。上半身裸の男たちが、鋭い棘を持つパンダンの葉を束ねたものを武器とし、互いの体を激しく打ち据えるという壮絶なものである。その熱気ある姿をひと目見ようと国内外から多くの観光客が押し寄せ、観客の中には友人の肩車に乗って見物する者もいるほどだ。
激しい戦いゆえに流血を伴うほどの傷を負う参加者も多いが、彼らに敵意は一切ない。これは村と家族に対する若者たちの責任を示すための崇高なシンボルなのである。戦いが終われば一切の恨みは残さず、参加者全員でメギブンと呼ばれる食事会を開いて親睦を深め合う。
また、男たちの戦いの裏で、村の女性たちはボレと呼ばれる特製の塗り薬を準備する。これを塗れば、棘による生々しい傷も1日ほどで乾き始め、わずか1週間で完治すると信じられているのである。村の代表イ・プトゥ・ユディアナ氏によると、現在は文化フェスティバルと同時開催され、より広く知られるようになっている。
もうひとネタ!
この儀式は怪我を恐れなければ観光客の飛び入り参加も歓迎されているという。勇気のある方は、ぜひ棘だらけの戦いに挑んでみてはいかがだろうか。

















