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伝統の土かまどが引き出す豊かな風味。ロンボクのご当地おやつ「チェロロット」

「千のモスクの島」として知られるロンボク島の海岸線を巡るなら、ブラックコーヒーと甘いおやつの組み合わせで一日をスタートさせるのがおすすめである。辛くて旨味の強い料理が多いこの島において、甘党の人々に愛されているのが伝統菓子「チェロロット」である。

チェロロットは、米粉、ココナッツミルク、パームシュガーを混ぜ合わせ、ヤシの若葉を小さなトランペットのような円錐形に巻いた型に流し込んで蒸し上げたお菓子である。現在でも一部のササク族の人々は、「ジャンキー」と呼ばれる伝統的な粘土製の土かまどと乾いた薪を使い、約30分かけて丁寧に蒸し上げている。薪の炎と煙が、お菓子に豊かな香りを纏わせるのである。

このお菓子は単に美味しいだけでなく、ササク族の深い精神性が込められている。特にサデ・ランビタン村などで行われる伝統的な結婚式においては欠かせない供物である。茶褐色は新郎を、細長く先細りになった形は子孫繁栄を象徴している。二つの家族の結合を祝い、新婚生活の幸福と子宝を願う祈りが、その一口ごとに込められているのだ。

ロンボクを訪れた際は、ぜひこの甘く優しい歴史の味を体験してみてほしい。

もうひとネタ!
かつては儀式のための特別なお菓子であったが、現在ではロンボク島のお土産として伝統市場などで手軽に購入できるようになっている。