米国で1960年代に誕生し、日本でも70年代初頭にブームとなった「アメリカンクラッカー」。インドネシアでは「latto-latto」と呼ばれ親しまれてきたこの懐かしのおもちゃが、最近になってまたブームとなっている。少し前には西ジャワ州スバンを訪れたジョコ・ウィドド大統領が、リドワン・カミル州知事と一緒にこのおもちゃを通して市民と交流する映像も公開され、人気に拍車を掛けた。
アメリカンクラッカーは、リングに結ばれた2本の紐の先についた2つの小さなボールをカチカチとぶつけ合って遊ぶシンプルなおもちゃ。本場米国では「クラッカーズボール」などの名称で知られている。発売開始当時はボールがガラス製であったため米国で子供が目を負傷する事故が多発し、米国食品医薬品局(FDA)は1966 年に同商品の流通を禁止。以降プラスチック製のものが各国で販売された。
インドネシア心理学会は「適切な用法、状況、頻度で使用すれば、子供の認知能力と運動能力を刺激するのに役立つ」と述べている。東カリマンタン州サマリンダの娯楽施設では観光誘致イベントの一つとしてアメリカンクラッカーコンテストが開催され、子供から大人まで何百人もの人々が参加した。人気は当分続きそうだが、周囲に配慮しながら遊ぶことを子供たちには教えたい。