2024年に迫ったインドネシアの大統領選で各政党が動きを活発化させている。2月26日に中ジャワ州スマランで開催した「国民信託党(PAN)」の大会でズルキフル・ハッサン党首が、ガンジャル・プラウォノ中ジャワ州知事に対してエリック・トヒル国営企業相を副大統領候補に指名するのであれば、PANとしてガンジャル知事を大統領候補として支持するとの方針を明らかにした。
ガンジャル知事は最大与党の「闘争民主党(PDIP)」の党員であり、トヒル氏は所属政党も持たない実業家出身閣僚と、いずれの候補者もPANとは無縁だ。
26日の党集会にはガンジャル知事、エリック大臣とともに最前列にはジョコ・ウィドド大統領も臨席した。そこでズルキフル党首は最近エリック大臣がインドネシアサッカー連盟の会長に選ばれたことを称賛し、働き者のガンジャル知事と正副大統領候補としてペアを組めば「これまでにない国の繁栄が期待できる」と述べた。
ジョコ・ウィドド大統領はPANの集会が中ジャワ州で開催される意味は、同州知事であるガンジャル知事と無関係でなく納得のいく選択だと述べた。
ジョコ・ウィドド大統領はPDIPの党員でありその支持を背景にしていることもありガンジャル知事を「よく働く知事だ」「私の後継者には白髪になるほど仕事熱心な人物が好ましい」などと最近は白髪のガンジャル知事にエールを送っている。
PDIPは候補者選任を一任されているメガワティ党首がいまだにその心中を明らかにしていないことから各政党がPDIPのガンジャル知事を擁立する動きを強めているという現象が起きている。
各種世論調査でも大統領に3度目の挑戦をするプラボウォ・スビアント国防相をリードしてガンジャル知事は圧倒的支持を得ている。
そんなガンジャル知事を大統領候補として指名しないメガワティ党首はいまだに娘のプアン・マハラニ国会議長の擁立に拘っているとされるが、プアン国会議長の世論調査での支持は極めて低い状況が続いている。
PANはこれまでにゴルカル党や開発統一党(PPP)との連携を明らかにしており、PDIPがもたもたしている間にガンジャル知事の「大統領候補としての争奪戦」が活発化している。国民の政権への満足度が高いジョコ・ウィドド大統領は理想的な後継者としてガンジャル知事に期待を抱いているという。