インドネシアにも愛用者の多い、米国の家庭用品会社「タッパーウェア・ブランズ社(Tupperware Brands Corp.)」が財政難により倒産の危機にあると米国のABCニュースが報じた。同社の営業利益は前年同期比90%減、4月10日には株価が50%近く下落した。同社は資金調達を行い、財務状況改善に努める方針だ。調査会社グローバル・データ社のマネージングディレクター、ニール・ソーンダース氏は「家庭用品の消費の減少、売り手の急激な減少、若い消費者との結びつきのないブランドとなったことが衰退の要因」と話す。
同社は1946年創業の歴史ある会社。化学者でもある創業者のアール・サイラス・タッパー氏は、戦争の影響を受けた一般家庭の人々が、食料をより長く保管することで倹約できるように、との想いからプラスチック製の密閉容器を開発。女性を中心としたマーケティング戦略で世界的に成功し、1950年代に爆発的な人気を得た。ホームパーティー商法と呼ばれる連鎖販売取引は、家庭内で主婦としての役割に重点を置きながら、一定の収入を得ることを望む女性たちのニーズに適応し一時代を築いた。
パンデミックによる対面式販売の機会の減少、消費者のプラスチック製品離れと、同社には厳しい状況が続いていることは間違いない。