観光地としても有名なジャワ島東部に位置するブロモ山で、ヒンドゥー教の伝統儀式「ヤドニャカサダ」が6月5日に執り行われた。山の斜面に暮らす先住民族の「テンゲレセ」の毎年恒例の行事で、火山の山頂に集まりヤギや鶏、野菜などを火口に投げ込み神様にお供えする。
今回は数千人のヒンドゥー教徒が儀式に参加したほか、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年まで制限されていた観光客の入場も許可された。
参列者は豊富な家畜や農作物を与えてくれた神への感謝のお返しとして、持参したお供え物を火口に投げ込む。時に、周辺に住む村人が危険をかえりみず火口付近に網を持ち込み農作物を取り戻したり、お供えの祈りの後に生贄動物が村人へ直接手渡されたりすることもある。