ソロ市を訪れたら外すことのできないワヤンオラン観劇。ワヤンオランの公演は娯楽的要素だけでなく、文化的要素に満ち溢れている。日が沈むと静かな雰囲気に包まれるソロ市だが、スリウェダリ地域では毎晩ワヤンオランの公演が行われており、多くの若者が劇場に足を運ぶ。
1990年からワヤンオラン・スリウェダリの俳優として活動してきたHarsini氏は、現在は演出家として、もう一人の演出家と協働で週6回の公演を先導し、様々な物語を演出している。「ワヤンオランは伝統的な舞踏劇です。古代インドの2大叙事詩『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』などをもとにした様々な演目があります。劇中の独り語りは、緊張感や雰囲気を盛り上げる重要な見どころとなります。台本はなく、俳優の柔軟性が求められるのも特徴です。」と同氏は説明してくれた。演出家である同氏の役割は、物語の流れを作り、パフォーマンスを行う俳優たちの準備を整えることであり、俳優たちは演出家が作り上げた物語に合わせて独自の方法で演じることができる。
それ故にワヤンオランの演者には高い技術が求められる。インドネシア芸術高校(SMKI)やインドネシア芸術大学(ISI)を卒業した、才能溢れる若い俳優たちを中心に技術はより一層磨かれ、演者になるのは年々難しくなっている。