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16世紀から続くイスラム教マタラム王国の伝統菓子をお土産にいかが?

(c) travel.detik.com

ジョグジャカルタにはバクピア以外にも有名な伝統菓子がある。花のケーキ「ロティ・ケンバン(Roti kembang)」はコタグデを代表する焼き菓子で、無形文化遺産にもなっている。

柔らかい口当たりと甘さが特徴のロティ・ケンバンの材料は小麦粉、グラニュー糖、鶏卵、バニラと牛乳のみ。2時間近くかけて丁寧に作られた生地を鉄製の型に入れて炭火のオーブンで焼き上げる。忍耐と技が求められるゆえにどこでも買える品物ではなかった。ジョグジャカルタを訪れる観光客が増え続けるのに対し、ロティ・ケンバンの存在感が薄れていくことを危惧し、地元の人々は伝統菓子を保存し、将来的にはジョグジャカルタの定番土産となるようブランド化を試みた。そんな中この伝統菓子を現代風にパッケージ化してお土産として広く販売することに成功したのが「キポワル(Kipowaru)」。1つ1万Rpという手頃な価格で購入できるお土産としてロティ・ケンバンはインドネシア全土に広まった。

ロティ・ケンバンが生まれたのはイスラム・マタラム王国時代と言われている。8つの角は地、水、風、火、太陽、月、星、空の8つの自然要素を表し、これらすべてを統べて全国民を守ることができるリーダーの存在を象徴した。当時は祝い事や伝統行事には必ず用いられていたという。