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死生観を問うツーリズム トラジャ族が代々受け継ぐ死との向き合い方

(c) travel.detik.com

南スラウェシ州、タナトラジャにあるランテパオの市街地から車で15分ほどの観光村ケテケスでは、自然の美しさが楽しめるだけでなく、トラジャ族の死にまつわる伝統と考え方を学ぶことができる。

村に到着して最初に目に入るのは、ケテケスの赤い看板。その先に進むには地元観光客は1万5000Rp、外国人観光客の場合は3万Rpの入村チケットを購入する必要がある。次に見えてくるのは築数百年のトンコナン(舟形の家屋)が建ち並ぶ壮麗な景色。釘を使用せず木材だけを使って建てられたこれらの建物は、何世代にもわたり受け継がれ、現在も貯蔵庫として使用されている。トンコナンの柱に一列に装飾されている水牛の角の数は、儀式の際にどれだけの水牛をいけにえにできるか、家の所有者の社会的地位の高さを示す。

ケテケスでは13世紀からあるといわれる、岩壁の窪みや洞窟に遺体を安置した墓が見られる。子孫に土地を残すために、遺体を岩崖に埋葬したという一説もあるが、高い位置に埋葬するほど天国に行きやすくなると信じられていたという説が最も有力とされている。埋葬の前には水牛をいけにえにした儀式も行われる。何百年にわたり安置されてきた遺骨や棺が崖のあらゆる部分に今も見られる。観光に訪れる際には古代から続くトラジャの文化と故人への敬意と配慮を忘れずに。