米CNN系の旅行情報サイト「CNNトラベル」が2月19日に発表した「世界の美味しいパンTOP50」にロティ・ガンバンがランクインした。同ランキングにはアフガニスタンのボラニ、アルメニアのラバッシュ、イタリアのチャバタ、中国の焼餅、日本のカレーパンなども含まれている。
CNNトラベルはロティ・ガンバンについて「インドネシアの伝統的な楽器ガンバンを思い出させる形状のパン」と紹介している。実際にガンバンクロモンに登場する楽器ガンバン(木琴)の形状に似ていることから、ロティ・ガンバンと呼ばれるようになったことは、ベタウィ文化研究者のヤフヤ・アディ・サプトラ氏も認めている。
ロティ・ガンバンの起源はオランダ植民地時代。ロティ・ガンバンの平らで細長い形状は、シナモンやナツメグが入ったオランダの伝統的なライ麦パン「オントバイクック」に由来するものだが、レシピは異なる。インドネシアの人々は、オントバイクックの主原料である小麦粉をサツマイモ粉に、砂糖をジャワ砂糖に置き換え、さらにシナモン、ナツメグにカルダモンなどのスパイスもプラスして独自のパンへと進化させた。
現代においては一般的なパン屋でロティ・ガンバンを見かけることは少なく知らない人も多いが、ジャカルタとセマランの一部のパン屋では入手できる。